株式会社テクノスコープ(本社・埼玉県浦和市、白川進社長 048-822-5281)は、次世代の超高速インターフェースバスとして知られる、IEEE1394規格に準拠した汎用プリンタインターフェース
ZenkumanTM FirePrint FP-400(仮称)を開発し、PRNCOM'99(国際フォーラム7月21日〜22日開催)で本製品の発表(デモを実施)をいたしました。
Zenkuman FirePrint FP-400 製品カタログ(PDF書類)

本製品はIEEE1394-1995 及び p1394a(400MbpsMAX)規格の上位シリアル通信プロトコルSBP-2を搭載した、小型汎用プリンタアダプタです。
本製品は全てのドキュメント機器用途向けのインターフェースとして開発したもので、今後プリンタメーカ、PC周辺機器メーカー及び情報家電メーカー、その他幅広い分野に向けて同技術のライセンス供与を予定しています。
この製品を従来のインターフェースと置き換え又は追加する事で、パーソナル・コンピュータやワークステーションからのドキュメントデータを「大量に超高速」にて伝送する事が可能になります。
これまで、プリンタインターフェースには、RS232CやセントロニクスやSCSIが用いられ、又ネットワークプリンタとしてイサーネット等が広く使用されてきました。
また特殊用途向けのプリンタでは、独自のインターフェース規格により高速伝送を実現している例もあります。
しかし、ここ数年プリンタのエンジン性能向上やプリンタヘッドのアーキテクチャ、ドライバの機能向上により、従来の通信速度では、高速化するプリンタのエンジン性能が発揮できない状況になってきており、また、画像を含むドキュメントや高画質の写真等の印刷の要求が高まり、高速性と汎用性を持つIEEE1394の規格がプリンタ業界でも次世代の技術として注目されてきました。
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FirePrint FP-400
今回テクノスコープがIEEE13994規格にて開発したFP-400は、IEEE1394規格では現在最高速度の400Mbpsの通信スピードを実現し、従来のプリンタ用インターフェースと比較して通信スピードを劇的に向上させる事が可能です。
本製品は開発のターゲットに「SBP-2の汎用のインターフェース開発を考慮」しています。
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ITRON使用で高度な移植性を実現
プリンタコントロールやIEEE1394の制御スイッチング用、コントローラ制御用にエンベデッドソリューションを用い開発を行いました。
本製品にはリアルタイムOS(ITRON)を使用しています。
その為、将来への拡張性や移植性に優れた製品特徴を有しています。
更に、プリンタ等のメーカ固有のインターフェースへの接続性の為にFPGAでインターフェースを構築してあり、今後の規格変更や多機種への移植が容易に変更できる工夫をしてあります。
この移植性の特徴の為、特定メーカのプリンタ方式専用ではなく、現在市販されている高速プリンタや現在開発中の全てのプリンタに搭載が可能となります。
IEEE1394プリント技術は、IEEE1394 Trade Associationという推進団体でもPWG委員会で審議中ですが、(同社もメンバーの一員)今回テクノスコープの開発したFP-400は、「従来のインターフェースの延長線上で搭載可能な高速技術」に重点を置き開発したもので、審議中のDPP(ダイレクトプリントプロトコル)は今のところ使用せずに、シリアルプロトコルであるSBP-2をネイティブに使用してのデータ伝送を実現しました。
この事で従来のSCSIインターフェース向けのドライバは、ほぼ無修正で使用できるという利点があります。
尚、内部S-RAM領域にDPPプロトコルを将来書き加えれば、対応の可能性も有ります。
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開発背景
TechnoScopeはこれまで、IEEE1394関連製品を多く手がける国内唯一の専業開発会社として知られ、ソフトウエア-デベロップメントキットは、現在多くの会社での標準開発環境になりつつあります。 また、弊社の400MbpsのIEEE1394ホストアダプターカードである、PFW-41は大手IEEE1394カメラメーカの推奨カードとしての実績を持ちます。
ここ最近、特に1999年になってからは、Apple社のG3を皮切りにWindows PCの世界でもIEEE1394のポートの標準化が進みつつあります。
Windows98 2nd Editionでは標準ドライバとして、IEEE1394及びSBP-2が搭載予定です。
更に、次世代のWindows2000では、PCの規格自体もEEE1394搭載を推奨する規格になろうとしています。
IEEE1394の規格は、PCの分野と家電の分野でそれぞれが独自の利点を見出し、搭載に積極的ですが、特にパーソナルコンピュータの為のIEEE1394を考えた場合は、その高速性とネットワークの扱いやすさが最大の利点になります。
また、従来のエンジンのインターフェースを考慮した時、互換性の取りやすさからSBP-2を上位プロトコルとして使用することが多くなると考えられます。
このSBP-2はプリンター以外の用途として、現在、DVD、CD-R等の光記録媒体の多くと、スキャナやデジタルコピー等のドキュメント関連、HDD等の磁気記録媒体のコントローラに採用が検討され始めました。
同社はプリンタ関連のドライバー開発や特殊プリンタ(大型レーザプリンタ等)のエンジンコントロールユニットの開発に長年携わり、特にアップルのMacintosh向けのプリンタドライバでは長年の実績を持ちます。
その為、Firewireは4年前から検討し、プリンタ搭載の為のIEEE1394機器開発研究を行っております。
今回発表したインターフェースは、プリンタメーカが従来の機構やインターフェース技術に大幅な手を加えずに、短期間で「IEEE1394対応プリンターを開発することを実現する製品」として計画を行いました。
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主な特長
IEEE1394-1995 IEEE1394a準拠(アシンクロナス-非同期転送)
上位プロトコル : SCSI互換 : SBP‐2(Serial Bus Protocol)使用
SBP2専用VLSIでハードで実現
CPU : 日立 SH-3
RTOS : ITRON
SDRAM : 16Mbyte
IEEE1394ポート : 6pin × 1ポート
10Base Ethernet : 1ポート IEEE1394VLSI : SBP-2 LINK/PHY
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具体的な利用例
超高速、精細LEDプリンタ
沖データのマイクロライン等の超高速プリンタ機構を持つプリンタは、従来PC側から大量のデータを転送しメモリに一度バッファリングし、高速エンジンがそのプリント処理をメモリ上のデータから行っています。
IEEE1394はその巨大なデータバンド幅を用いる事で、プリンタ側がデータ要求をおこない、その都度メモリを介さずに、エンジンに直接データを送りこむという事が可能になります。
これにより、プリンタの最高速度でデータを印刷する為、従来とは比較にならないくらいの超高速印刷が可能になります。
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